本研究で開発したガラスキャピラリー電極は,ガラス管を伸長してその先端径を数100 nmに絞り込んだものであり,液中を走査することで局所的な電場や濃度場を測ることができる.これまで困難と考えられてきた電極から離れた沖合の電場を直接的に測定することが可能となり,理論的に求められてきた電場の空間分布が実験的にも明らかにされたことは学術的に有意義である.また,寸法が既知の検査体積を走査するため,事前の較正を必要とすることなく,試料液の濃度を直接的に評価することを可能とする新しい測定手法といえる.さらに,3連管の電極を作製することで局所的なpH測定も実現され,各種イオン濃度測定への発展が期待される.
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