研究課題/領域番号 |
21K18690
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芝原 正彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40294045)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 熱伝導 / 界面熱抵抗 / 分子動力学 |
研究実績の概要 |
本研究は,物質のスケールや状態に依存しない熱伝導特性の一般的な記述を考えることを目的として,物質を原子・分子にまで分解し,周波数分解した熱流に対する二つの粒子間の伝導特性を記述する関数を求めて,それを用いて注目する系全体または局所の有効熱伝導特性を表現することを考えている.そのために,本年度は以下の研究項目を実施した. (1)固体・液体およびその界面を含む分子モデル系における界面全体の熱抵抗の算出と振動特性の関係の評価: 液体-固体界面を含む分子モデル系の熱伝導状態をシミュレートできる分子動力学プログラムを用いて,界面の微細構造ならびに流体分子-固体原子間の相互作用強さが界面全体の熱抵抗に与える影響を明らかにするとともに,周波数に依存した流体分子と固体原子の振動特性の変化を調べた. (2)固体・液体およびその界面を含む分子モデル系における局所的な界面熱抵抗の算出と振動特性の関係の評価: 液体-固体界面を含む分子モデル系の熱伝導状態をシミュレートできる分子動力学プログラムを用いて,界面の微細構造ならびに流体分子-固体原子間の相互作用強さが1原子あたりの局所界面熱抵抗に与える影響を明らかにするとともに,周波数に依存した流体分子と固体原子の局所振動特性の変化を調べた. (3)固液界面における局所的な熱流スペクトルおよび周波数に依存した界面コンダクタンスの算出方法の検討: 周波数に依存した熱流スペクトルおよび界面コンダクタンスについて,その算出方法の検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
固体・液体およびその界面を含む分子モデル系における局所的な界面熱抵抗の算出と振動特性の関係の評価が可能となっている.また,熱流スペクトルならびに界面コンダクタンススペクトルの算出方法の検討も行っている.以上より,現時点ではおおよそ予定どおりに進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,物質のスケールや状態に依存しない熱伝導特性の一般的な記述を考えることを目的として,物質を原子・分子にまで分解し,周波数分解した熱流に対する二つの粒子間の伝導特性を記述する関数を求めて,それを用いて注目する系全体または局所の有効熱伝導特性を表現することを考えている.そのために,今後は以下の研究項目を実施することを予定している. (1)固液界面の周波数分解した局所熱コンダクタンスの算出:固液界面系の周波数分解した熱コンダクタンス(熱伝導率)を局所的に求めて,圧力や温度,濡れ性などのパラメータが与える影響を調査する. (2) 固体・液体バルク系における周波数分解した熱伝導率の算出:固体・液体バルク系における周波数分解した熱伝導率を求めて,圧力や温度などのパラメータが与える影響を調査する. (3)固液界面を含む系全体における周波数分解した熱流の通過特性分布の評価: (1)と(2)をさらに局所的にかつ三次元的に求めることを考えて,最終的には固液界面を含む系全体の周波数分解した熱流の通過特性分布の評価を行う.このことにより物質のスケールや状態に依存しない熱伝導特性の一般的な記述の実現を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で,出張の機会が少なかったことで次年度使用額が生じている.次年度の経費は,主に国内学会などへの出張による使用を計画している.
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