研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ガラス細管の加熱延伸によるマイクロチャネル形成とマイクロチャネル側面への薄膜サーミスタの成膜によるMEMS技術を用いない簡便な方法で加工でき,106K/Wオーダの極めて高い熱抵抗をもつ高感度な熱量計(自立マイクロチャネル型ナノカロリメータ)を開発した.自作の真空多重恒温槽の内部に設置したナノカロリメータを用いて,単細胞生物であるゾウリムシ,一匹の発熱量の計測に成功した.また,ナノDTAによりサブマイクロジュールレベルの相転移熱量を正確に計測できることを実証した.
熱工学
細胞状態の診断や細胞機能の理解のために,単一細胞熱分析が一つの有効な技術と考えられる中で,本研究を通じて,単一細胞の代謝熱を計測できるセンサ構造,計測システムを構築できたことは意義深い.今後,センサのさらなる高感度化により,個体差や状態変化を熱的に検出できる技術の開発を目指す.