研究実績の概要 |
究極の小型化と簡素化が可能な低熱流束で動作する新しい強力なマイクロエンジンの学理体系を構築するために、次のことが遂行できた。 I.計画(2)の遷移核沸騰領域付近の回転エンジンは無負荷30rad/sを達成(投稿中)。また、計画(3)のワイヤレス化について、渦電流型ボートを提案。動きを確認した(調査継続中)。 II.計画(4)の低熱流束化のために対流型熱エンジンと核沸騰型熱エンジンの検討を進めた。 【対流型:①Jpn. J. Appl. Phys. 61, 064001 (2022); ②Physics of fluids 34, 064113 (2022); ③Physics of fluids 34, 114121 (2022); ④J. Phys. Soc. Jpn. 92, 024401 (2023)】【核沸騰型:⑤Physics of fluids 35, 024102(2023)】 III.計画(5)の材料の高度微細化技術獲得のために、自己組織化炭素ワイヤ-の構造制御とヒータ応用の検討を進めた。【⑥Colloids and Surface A 649, 129497(2022); ⑦Colloids and Surface A 655, 130190(2022)】 IV. さらに強力なマイクロ熱エンジンの実現のために、水中放電による爆発的な沸騰現象を使った熱エンジンを提案し検証した。【⑧Physics of fluids 35, 054105 (2023)掲載】
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要で記載したように、当該年度において、新しいマイクロエンジンの学理体系を構築するための研究群を推進し、その成果を8件の論文(POF誌4,C&SA誌2,JJAP誌1,JPSJ誌1)として国際誌に掲載できている。しかしながら、新しい強力なマイクロ熱エンジンの学理体系を構築するためには、低熱流束、小型化、ワイヤレス化、高出力化とともに、材料の高度化及び微細化を進めていく必要がある。また、もっとも本質的なキーワードは、”対象性の破れ”だが、現在、低熱流束と高出力化はトレードオフの関係にあり、使用用途を意識した学理体系を構築する必要がありそうである。
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