研究課題/領域番号 |
21K18716
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
藤本 康孝 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313475)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 電気機械エネルギー変換 / モータ / マイクロ波 / 共振結合 |
研究実績の概要 |
近年、ワイヤレス電力伝送の分野において、MHz帯の磁界共振方式が注目を集めている。これは空芯の二つのコイルの距離が数十cm~数mと離れていて磁気結合が弱い場合であっても、コイルインダクタンスと寄生容量からなる共振周波数帯のQ値が大きければ、大きな電力の伝送が可能となるもので、2007年にMITで実証され大きな注目を集めた。研究代表者はこの研究にヒントを得て、ステータ巻線とロータ巻線の間で共振を利用したMHz帯の電気機械エネルギー変換の基礎理論を提案している。本研究では、このモデルをGHz帯域まで拡張した電気機械エネルギー変換の原理構築を行った。空間的に配置されたマイクロ波回路を設計し、マイクロ波をステータから送信し、エアギャップを介してロータ側のマイクロ波回路で受信する基本モデルを提案し、有限要素シミュレーションにより力が発生することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
磁界共振結合における共振周波数をGHz帯域まで上げる場合、信号の波長を考慮したモデルが必要となる。たとえば、2.45GHzの信号では、線路は同軸線路もしくは導波管となるため共振結合も電磁界で考える必要があり、共振の方法も誘電体共振器やキャビティ(空胴共振器)を用いることとした。空間的に配置されたマイクロ波回路を設計し、マイクロ波をステータから送信し、エアギャップを介してロータ側のマイクロ波回路で受信する基本モデルを提案した。このときステータから発生させた磁界とロータ側の導波管壁面に誘導された電流との相互作用で力が発生することを有限要素シミュレーションにより確認した。また、等価回路モデルによる検討も行った。
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今後の研究の推進方策 |
有限要素シミュレーションのモデル構築を進め、発生推力を向上させる構成について検討を進める。極対数を大幅に増加させてすべりを減らすことで発生力を向上させる構造や、回転型の構造を検討する。また、力の発生モデルの妥当性についてモデルとシミュレーションの両面から検証を行う。また、モータとして機能させるためには、マイクロ波の位相を制御する必要があり、その方法についても検討を行う。
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