研究課題
近年、ワイヤレス電力伝送の分野において、MHz帯の磁界共振方式が注目を集めている。これは空芯の二つのコイルの距離が数十cm~数mと離れていて磁気結合が弱い場合であっても、コイルインダクタンスと寄生容量からなる共振周波数帯のQ値が大きければ、大きな電力の伝送が可能となるもので、2007年にMITで実証され大きな注目を集めた。研究代表者はこの研究にヒントを得て、ステータ巻線とロータ巻線の間で共振を利用したMHz帯の電気機械エネルギー変換の基礎理論を提案している。本研究では、このモデルをGHz帯域まで拡張した電気機械エネルギー変換の原理構築を行った。空間的に配置されたマイクロ波回路を設計し、マイクロ波をステータから送信し、エアギャップを介してロータ側のマイクロ波回路で受信する基本モデルを提案した。駆動周波数を2.45GHzとし、導波管を線路としてキャビティにより共振させる方式を提案した。空間的に位相が90度異なる2相のマイクロ波を発生させる回路を設計し、マイクロ波をステータから送信し、エアギャップを介してロータ側のマイクロ波回路で受信する基本モデルを提案した。有限要素シミュレーションにより提案回路によって小さいながらも力が発生できることを確認した。また、発生力の向上に向けて、導波管内外の電力損失について解析を行った。導波管パラメータから算出される減衰定数と自由空間における電力損失の方程式と合わせて、1相分、4相分の矩形導波管の通過電力について解析を行い、シミュレーションによる計算値と比較を行った。その結果、導波管内の損失は良く一致するが、導波管外の損失は計算値が理論モデルによる値よりを大きく上回ることが分かった。
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roc. IEEJ Int. Workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization
巻: 1 ページ: 305-310
電気学会産業応用部門大会論文集
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