液晶光デバイスは液晶の異方性を活用するため、その特性が入射光の偏光状態に依存し応用が制限される場合が多い。一方、異方性を生み出す分子配列は、配向場の不整合(トポロジカル欠陥)を内包する場合が多い。本研究では、従来、有害なものと考えられてきた欠陥の空間配列を制御することにより、光学的に等方な液晶を実現し新しい発想の新規光デバイスを探索することを目的とした。具体的には、元トポロジカル欠陥との共存により三次元螺旋構造を安定化するブルー相液晶に着目し、ブルー相液晶の格子配列の精密制御を目指して、素子基板表面への配向容易軸の付与と電界印加によって格子面ならびに格子軸のマクロな制御を実現した。
|