微粒子の分極について,その表面の導電率と誘電率からなる複素誘電率に着目した.微粒子表面の導電率は,ゼータ電位を測定することで得られる.一方,誘電率の測定法は確立しておらず,レーザー回折で測定できるかどうかを検証した.誘電体微粒子にDNAを結合し,そのレーザー回折・散乱光角度を計測したところ,DNA結合微粒子と未結合微粒子とで異なる結果が示され,微粒子表面の誘電率測定の可能性が示された.また,生体関連物質のひとつであるエクソソームの誘電体特性を調べ,その膜キャパシタンスが由来細胞と同等であること,正常細胞とがん細胞由来のエクソソームでは分極特性(誘電泳動特性)が異なることを示した.
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