白血球は人体防御の主役であり、好中球は最も主要な白血球である。好中球をナノ秒パルス高電界で刺激すると、細胞内部からDNAと生理活性分子が細胞外へと放出される。これは好中球細胞外トラップ(NET)と呼ばれる免疫反応である。本研究ではナノ秒パルス高電界によるNET誘導のメカニズムを解析し、NETの誘発に必要な電界強度には閾値があること、細胞外のカルシウムイオンの流入と電気的な作用が同時に作用する必要があることを明らかにした。ナノ秒パルス高電界はガン治療の新しい手段と広く認められているが、ガン細胞に死を誘導する場合とNETを誘導する場合ではメカニズムが異なると推察された。
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