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2021 年度 実施状況報告書

珪酸塩固定を実現する新しいジオバイオテクノロジーの創生

研究課題

研究課題/領域番号 21K18754
研究機関琉球大学

研究代表者

松原 仁  琉球大学, 工学部, 准教授 (50414537)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード珪酸塩 / ジオバイオテクノロジー / 地盤修復 / MISP
研究実績の概要

本研究は,高強度かつ経年劣化に強い次世代の岩石修復技術の確立を目指し,珪酸塩鉱物の析出と固定化を誘発する微生物を探索し,これを用いた新しいジオバイオテクノロジーの創生に挑むものである。2021年度に得られた結果はサブテーマ毎に以下のようにまとめることができる。
(1)指状珪酸塩鉱物の形態・菌相分析と強度発現メカニズムの解明:
粟国島の角礫凝灰岩の露頭調査を実施し,打撃反発法に基づく各種強度(R値:シュミットハンマー,Q値:シルバーシュミット,L値:エコーチップ)を得た。また,採取した試料を用いて,鉱物組成分析(XRD),質量スペクトル分析(MS,ICP発光分析),微細構造観察(SEM),岩内微生物の菌叢構造分析(NGS)を実施した。結果として,本研究で対象としている鍾乳石状の珪酸塩鉱物は同心円状の断面構造を有しており,その間隙部には微生物の代謝反応に由来する炭酸塩が析出してることを発見した。このことは,本珪酸塩の強度発現は間隙に析出する炭酸塩によっても促進されていることを意味する。その他,化学・生物学的な分析によって得られたデータについては,学際的な観点から更なる検討を進めているところである。
(2)珪酸塩鉱物の析出を誘発するMISP技術の確立:
露頭調査にて採取した微生物群をイオン交換水にて希釈し,寒天培地(nutrient broth)を用いた培養・分離に成功した。分離株の中には,MISP(microbially induces silicate precipitation)に有用な微生物が含まれていることが想定され,現在はMISPに有用な微生物の分離作業を行っているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していたフィールド調査および分析,室内培養実験は計画通りに進んでおり,得られた成果の一部も公表されている。したがって,本研究はおおむね順調に進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

研究はおおむね順調に進捗しており,当初の計画書に沿って研究を進める予定である。今後はフィールド調査にて得られたデータの詳細分析を進めながら,特に,有用微生物の選定実験に注力する。

次年度使用額が生じた理由

・未使用額(\10)が発生した理由:実験に使用する物品等について若干節約することができたため。

・次年度における使途内容:フィールド調査に必要な器具類を購入する経費の一部に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Calcium carbonate growth with the ring structure of stalactite-type minerals in a tuff breccia2021

    • 著者名/発表者名
      Ryo Uenishi and Hitoshi Matsubara
    • 雑誌名

      Crystals

      巻: 11(9) ページ: 1117

    • DOI

      10.3390/cryst11091117

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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