研究課題/領域番号 |
21K18761
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
秋田 典子 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (20447345)
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研究分担者 |
荒木 笙子 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 助教 (20897524)
大江 靖雄 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60302535)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 都市農業 / 生活圏 / 購買行動 / ローカルコモンズ |
研究実績の概要 |
初年度に当たる本年は、農のローカルコモンズとしての機能、地域コミュニティにおいて果たしている役割を明らかにするために、都市農地を中心に、行政及び都市農家の協力を得て詳細な実態調査を実施した。この背景には、本年はコロナ禍にあったことから地方や海外での調査が困難であり、移動距離の少ない首都圏に研究を集中させたことがある。 都市農家に対しては具体的には、都市農業の地域コミュニティとのつながりを明らかにするために、庭先直売という市場流通とは異なる形の生産物の流通形態に焦点を当て、その全体像のなかでどのようにコミュニティの繋がりが形成されているのかを明らかにすることに取り組んだ。また、学校給食や体験農園のような、多様な形態での都市農業の地域コミュニティとの関わりを総合的に把握した。また、都市農業の環境に対するインパクトや購買実態、地域における存在の価値やローカルコモンズとしての機能を明らかにするために、調査協力が得られた農家において、庭先直売の購買者に対するアンケート調査を実施し、どのような人がどのような手段・目的で購買活動を行なっているのかを明らかにした。同時にコロナ禍という状況にも着目し、接触を低減したコインロッカー型の庭先直売を実施している農家へのヒアリング調査も行い、都市農業が社会環境の変化に応じて柔軟な対応を行なっている実態を明らかにした。一方、東北の被災地において花や薬草の生産を通じて地域の再生に取り組んでいる事例を対象を取り上げ、その活動拠点となっている場所が、生活圏に置いて果たす役割や持続性の確保の観点における課題を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はコロナ禍の中で実施することが予め想定できていたことから、特段の問題なく進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、計画通りに順調に研究を推進することができたことから、今後についても計画通りに研究を推進してゆく予定である。今後については、特に海外の都市農業と生活圏の関わりについて重点を置いて研究に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、前述の通りコロナ禍で移動が制限されたことから首都圏での調査に限定しており、旅費の使用が大幅に削減されている。来年度はコロナ感染状況を見つつ、今年度不可能であった首都圏以外や海外での調査を実施することで、予算を適切に使用する予定である。
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