研究課題
本研究課題では,反復計算を伴う陰的解法を見直し,非定常シミュレーションを普及させるために,理論研究展開 と応用研究展開を随時行う方法を提案するものである.2022年度は,研究最終年度として,前年度に構築した数値流体解析手法の理論展開を単純流れに適用した数値解析を実施し,現行の陽的解法との比較を行った.理論展開で得られた結果から,気体の状態方程式に変わる圧力-密度関係式を得ることで,現行の計算方法との相違点を明確にした.また,陽的解法に加えて,現在広く用いられているLattice Boltzmann法との相違点を明確にすることで,オイラー型とラグランジュ型の求解手法を適切関係付けた.さらに,ラグランジュ型のLatice Boltzmann手法についても,別途解析コードを実装し,提案手法と比較することで,提案手法の適用性を示した.これらの解析手法については,提案手法と従来手法のいずれにおいても,数値流体モデルとして有限体積法を用いた解析コードを実装し,両者の比較を行った.その結果,提案手法による音速のモデルかにより,流れ場に疎密波が発生する点においては,従来手法と共通しているものの,従来手法では計算パラメータとして任意に設定していた擬似音速を理論的に決定できることを示した.以上を通じて,本課題では,これらの手法を単純なキャビティー流れを対象として実装したことによって,理論的な導出のみならず,実際の数値流体解析に適用できる可能性を十分に示すことができたと考えられる.また,これらの結果は,数値流体解析手法に関する論文誌に発表済み1件,投稿中1件であり,当初設定していた研究課題を順調に遂行することができた言える.
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