研究課題/領域番号 |
21K18782
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
井上 遼 東京理科大学, 工学部機械工学科, 講師 (60756295)
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研究分担者 |
長谷川 誠 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50376513)
新井 優太郎 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (70844439)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 熱防御システム / 高エントロピー材料 / ZrO2 |
研究実績の概要 |
2021年度はZrO2系高エントロピー材料を固相反応法で合成することに成功した。部分安定化ZrO2とTa2O5の三元系を基本とし、熱伝導率低減、耐酸化特性向上を目指し新たな酸化物を加えた。組成比や材料構成などは熱力学計算より設計した。固相反応で均一化したバルク材料を粉砕し微粉末を得た。その粉末を原材料に用い、エアロゾルデポジション法で各種基板に成膜したところ、原料粉末の組成を変化させることなくコーティング可能であることを示した。なお、粒子径や組成によってはコーティングができない条件も存在した。成膜を繰り返すことで厚膜化可能であることがわかったが、成膜の際、基材表面の硬度が重要であった。基材として、超高温セラミックス(UHTC)をマトリックスに持ち、炭素繊維で強化したC/UHTCMCを開発し基材単独での風洞試験を行い既存材料と比べて優れた損耗特性を有することを確認した。2022年度は高エントロピー材料をC/UHTCMC基材にコーティングし、風洞試験を行った。コーティングはドクターブレード法によって行い、大型設備や条件の詳細設定などが不要であることが利点である。C/UHTCMCは表面硬度がC/Cに比べて高く、エアロゾルデポジション法によって成膜可能であることを確認した。2021年度に実施した風洞試験の結果と比較して、さらに性能が向上し、ほぼ損耗していないことがわかった。基材自身が酸化して生じる皮膜に対してコーティングの有用性を証明することができた。
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