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2021 年度 実施状況報告書

自発的行動特性を持つ革新的避難モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K18789
研究機関岐阜大学

研究代表者

小山 真紀 (田原真紀)  岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (70462942)

研究分担者 阪本 真由美  兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (60587426)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード水害 / 自発的 / 避難行動
研究実績の概要

当初計画では,1年目に避難行動アンケート調査を実施する予定であったが,新型コロナウイルス感染症蔓延による復旧復興の遅れにより,調査の実施が困難であった.その代わり,2018年の7月豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町におけるヒアリングおよび避難意思の時系列推移調査(e-act curve)のデータ分析を行った.e-act curveは時系列に従って,避難意思がどのように推移しどのタイミングでどのようなトリガーによって避難に至るかを表したものである.この調査データから,避難意思を向上させる要因と避難意思を低下させる要因について整理が進みつつある.ただし,このデータはコロナ禍前の災害時の避難行動データであるため,現在推奨されている分散避難を前提としておらず,避難先の想定範囲が狭いため,避難行動モデルの作成においては,延期しているアンケート調査の実施が必要となる.現在までに,先行研究で明らかになっているより詳細なe-act curveのパターン(時系列による避難意思の推移パターン)が整理されてきている.また,令和2年に発生した岐阜県内の水害における避難行動調査から,ハザードマップの認知や防災研修が必ずしも避難行動につながっていないことが再確認された.これらの結果は,旧来の避難促進施策である,「防災気象情報の高度化」や「避難行動のための研修」などで大多数の人に適切な避難行動を実施させるには限界がある事,人によって,避難を決断するまでのプロセスは多様であり,避難行動を促進するには,その人に応じた働きかけが必要である事を示している.これまでの研究によって,その人に応じた避難モチベーション向上モデルに向けた,基礎的な整理ができつつある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画において,1年目に避難行動アンケート調査を実施し,コロナ禍における実際の避難状況や避難をしない理由,ホテルや旅館,親せき宅等を避難先として選択した場合の避難のしやすさの度合い,モチベーション等を定量的に測ることを予定していたが,新型コロナウイルス感染症蔓延により復旧復興が遅れており,避難行動に関するアンケート調査を実施できる環境が整わず,調査の実施が遅れている.その代わり,2018年に発生した7月号の被災地である岡山県倉敷市真備町で実施した避難モチベーションの時間的経過に関する調査(e-act curve)のデータを用いて避難を促進する要因と抑制する要因の分析を進めている.

今後の研究の推進方策

e-act curveの調査データ分析により,避難行動の意思決定に至る心理プロセスが明らかになってきており,延期になっているアンケート調査の実施にあたっては,この知見を踏まえた調査項目の見直しを行った上で実施する予定である.アンケート調査の延期により,避難行動モデルの構築についても当初予定より遅れることが想定されるが,2022年度前期にe-act curveの調査結果に基づいた避難モチベーション仮説に基づいた避難モデル仮説の整理とアンケート調査を実施し,後期にはアンケート結果に基づいた避難モデル構築を行うことで,遅れている進捗を当初予定の進捗にあわせる予定である.

次年度使用額が生じた理由

研究進捗のところで記述したとおり,1年目に予定していたアンケート調査を2年目に実施することになったため,その分の費用を次年度に繰り越すこととなった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 洪水・土砂災害リスクの認知と住民避難行動の実態-令和2年7月豪雨災害における岐阜県を事例に-2021

    • 著者名/発表者名
      髙木 朗義, 小山 真紀, 井草 正人, 藤井 孝文, 岩垣津 信太朗
    • 雑誌名

      自然災害科学

      巻: 40 ページ: 93-110

    • DOI

      10.24762/jndsj.40.S08_93

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 災害時の避難と「声がけ」に関する一考察ー倉敷市真備町岡田地区の地区防災計画の事例より2022

    • 著者名/発表者名
      阪本真由美・小山真紀
    • 学会等名
      地区防災計画学会
  • [学会発表] 豪雨災害における避難トリガーと「声がけ」の有効性の検討2021

    • 著者名/発表者名
      阪本真由美
    • 学会等名
      自然災害学会

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公開日: 2022-12-28  

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