Cu-Al-Mn単結晶に出現する巨大弾性歪について研究を行った。サイクル熱処理を用いた異常粒成長を利用して、<100>に近い方位を有する単結晶短冊状試料を作製し引張試験を行った。その結果、ヤング率の温度依存性は極めて小さく、良好な繰返し特性が得られることを確認した。また、その場中性子回折測定を行い、およそ4%歪まで母相が弾性変形しマルテンサイト相は出現しないことが判明した。加振法により得られた弾性率を用い、ヤング率の異常は主にC‘の値に関係することを解明し、この軟化現象は原子間ポテンシャルの非対称性に起因することが分かった。導電率の高いCu-Zn-Al系についても同様の現象を確認した。
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