酸化物トポロジカル半金属候補物質であるCa1-xLaxPd3O4の電荷輸送特性、電子状態、熱起電力効果の評価を行った。光学伝導度、光電子分光、第一原理計算の結果からCaPd3O4はギャップレス半金属ではなく0.1eV程度のギャップが開いた狭ギャップ半導体である可能性が高いことを明らかにした。電子ドープによって絶縁体金属クロスオーバーが生じ、x=0.03において熱起電力効果の電力因子が350Kで7μW/Kcm2に達することを見出した。比較的高い電力因子の起源の一つはPd4dx2-y2状態を主成分とする分散の大きな伝導バンドによって電子の移動度および伝導度が比較的高くなっていることが考えられる。
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