リチウムの挿入・脱離に伴う格子の膨張収縮に影響する因子について知見を深め、体積変化の抑制を実現する材料科学的方法論確立を目的として研究を遂行した。層状材料は固体中からリチウムを脱離させると、層間距離が減少し、結果として大きな体積変化を生じる。そこで、ホスト構造として立方晶系材料を利用した。Nb5+ やTi4+ といった、d0 イオンを構造中に導入することで岩塩型構造を安定化させることに成功した。多電子レドックスを担うV、まとCoなどを用い材料設計を行った。これらの異なる特徴因子を持った材料の反応機構を比較検討することで、インサーション材料の膨張・収縮を制御するための因子の抽出に成功した。
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