本研究は走査透過電子顕微鏡(STEM)付随の電子エネルギー損失分光(EELS)によるスペクトラムイメージデータに次元削減を適用してポリマー特有の化学種を分離・可視化する新規手法の開発を行った。加速電圧、試料温度効果により、低加速電圧、室温条件が最も損傷が激しく、主として温度上昇による熱ダメージであることがわかった。加速電圧が1000kVでは室温・低温ともにある程度の損傷が見られるが、主としてC=C二重結合とベンゼン環の損傷であり、ポリマー種分布の可視化には影響が無いことが明らかになり、ポリマー合金の成分を無染色でイメージングする技術を確立した。
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