IoT社会を見据えた現在、電池不要化技術に関心が集まるが、出力源の偏在性や発生電力などに注目するあまり、基本となる電流と電圧の関係性についての科学的関心がいっそう希薄になってきた。そこで本研究では、環境発電に関して、電流と電圧の秩序ではなく、協奏に着眼し、温度差不要の熱発電と振動発電を同時に協奏させた新機軸のバイナリー創エネ材料の研究に挑戦した。材料工学以外にも特に機械工学的な観点から見たマルチタスク有限要素解析を進めることにより、受振特性と発電性能に優れる材料形状等の最適解も獲得したことで、扱い難い300℃以下の廃熱エネ変換など、卓越した工業的成果への発展が期待できる重要な知見を得た。
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