研究課題/領域番号 |
21K18833
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小山 佳一 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (70302205)
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研究分担者 |
三井 好古 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (90649782)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 強磁場 / 合成 / 分離 |
研究成果の概要 |
磁性相を含む平衡状態図は強磁場によって制御可能である。強磁場によって磁気エネルギーの利得を最大化する方向に、原料から強磁性体が優先的に合成されて熱的に安定化し、熱分解が抑制される。複数元素が混在する試料に強磁場を印加し、強磁性化合物を選択的に合成、他元素を排除することにより、新しい磁気分離に挑戦した。特にMn-Bi-Sn系試料では、低温では化合物合成はないが、強磁場を印加すると強磁性MnSb相を優先的に合成し、MnとBiが残留する。高温ではMn2Sbが合成されBiの分離ができた。本研究によって、強磁場印加による反応速度制御、反応物の選択、元素の濃縮という新たな磁場効果を見出した。
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自由記述の分野 |
磁気物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁性化合物の合成において、従来は原料組成比と熱処理温度を制御し目標物質を合成してきた。本研究によって、化合物に強磁性が含まれる場合、温度と磁場を制御すれば、組成比の異なる化合物が選択的に合成でき、合成に関与しない元素が分離できることを初めて示すことができた。この成果は磁場が温度や組成比と同様に、物質合成の重要な熱力学的パラメータの一つであること意味し、磁場中物質合成の新しい手法として学術的及び社会的意義は大きい。
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