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2023 年度 実績報告書

C-H活性化を利用したメタンからのメタノール合成

研究課題

研究課題/領域番号 21K18838
研究機関東京大学

研究代表者

小林 広和  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30545968)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワードメタン / 酸化 / レニウム触媒
研究実績の概要

ゼオライト担持レニウム触媒によるメタンの酸化反応を検討した。ゼオライトとして、MOR、ZSM-5、FER、Beta、Y、CHAを検討したところ、O2/メタン比0.16の比較的還元的な条件ではRe/FERを除きいずれの触媒も良好な選択性で一酸化炭素と水素を生成した。しかし、酸素分圧を高めるとRe/MORのみが高い活性を示した。各触媒のH2-昇温還元測定を行うと、Re/MORが最も低温で還元され、活性な低原子価種を保ちやすいことが示唆された。
一方で、Re/CHAを用いて酸素分圧が高い条件で反応を行うと、酸素が残存している条件にもかかわらず、一酸化炭素が収率6%、選択率80%で生成した。これは、部分酸化の進行を示唆している。水素収率が0.4%と低いため、恐らくフォルメート中間体を経て、それが分解することで一酸化炭素が生成するのではないかと考えている。
低原子価のレニウムを保持しやすいRe/MORを用いてメタンからのメタノール合成を試みた。メタンと水蒸気を流通させて反応を行ったところ、350℃の条件でメタノールが速度2.0 mol/mol-Re・hで生成した。本触媒はC-H結合を活性化する能力が高く、メタノールが安定して存在できる比較的低温でメタンのC-H結合を切断することができたのではないかと考えている。なお、化学平衡は逸脱していない。比較のため、合成ガスのメタノールへの変換に高い活性を示す銅を用いてCu/betaを調製し、同じ反応に用いたところ、メタノールの生成速度は0.3 mol/mol-Cu・hであった。レニウムの方が活性が高いことが分かった。
さらに、アダマンタンの酸化反応を実施した。その結果、ReOCl3(PPh3)2を触媒とし、過酸化水素を酸化剤に用いると、比較的良好な選択性で2級のC-H結合を酸化でき、フォトレジスト原料として重要な2-アダマンタノンが得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Mordenite-stabilised rhenium catalyst for partial oxidation of methane to syngas2023

    • 著者名/発表者名
      Li Lingcong、Shrotri Abhijit、Kato Kazuya、Fukuoka Atsushi、Kobayashi Hirokazu
    • 雑誌名

      Catalysis Science & Technology

      巻: 13 ページ: 5190~5196

    • DOI

      10.1039/D3CY00077J

    • 査読あり
  • [学会発表] ゼオライト担持Re触媒によるメタンの酸化的改質反応2023

    • 著者名/発表者名
      小林広和、LI Lingcong、加藤寿也、福岡淳
    • 学会等名
      CREST「革新的触媒」領域 公開成果報告会
  • [備考] 研究室web

    • URL

      https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/kobalabo/

  • [備考] Researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/read0148875

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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