ナノファイバを用いたエアフィルタにおいて、粒子種を変えた性能評価の測定値と単一繊維捕集理論による推定値の比較から、粗大粒子に対して付着力の低下によって捕集効率が低下していることがわかった。捕集状態を走査型電子顕微鏡で観察することにより、繊維径が粒子径よりも相対的に小さい値をもつ繊維において、複数の繊維による捕集が優位になることが確認された。また、安定捕集される位置において、粒子が繊維表面で凝集体を形成することがわかった。これらの結果は、従来の理論の限界をナノファイバ表面における微粒子捕集機構を明らかにするものであり、工業的に使用されるエアフィルタの設計指針を与えるものとして意義がある。
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