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2021 年度 実施状況報告書

低分子化合物の分子凝集による酵素の新規阻害様式

研究課題

研究課題/領域番号 21K18850
研究機関神戸大学

研究代表者

丸山 達生  神戸大学, 工学研究科, 教授 (30346811)

研究分担者 青井 貴之  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
キーワード分子凝集 / 酵素 / 阻害 / 選択性
研究実績の概要

いくつかの検討を重ねたところチオフェン環とテトラゾール環を有する化合物1が、偶発的にDNA分解酵素に対して顕著な阻害活性を示すことを明らかにした。しかもその阻害活性は、化合物1が懸濁する状況で再現性よく観測された。化合物1が水中で懸濁する濃度は光散乱により同定した。シクロデキストリン等で化合物1を強制的に可溶化させるとDNA分解酵素の活性が復活した。つまり化合物1が水溶液中で凝集すると初めて阻害活性を示すことが判明した。DNA分解酵素の活性測定を複数の方法論で行ってもその阻害活性は観測されており、化合物1の分子凝集が引き起こす酵素阻害は間違いないことがわかってきた。またDNA分解酵素IおよびDNA分解酵素IIどちらに対しても化合物1が阻害活性を示した。また化合物の分子構造をいくつか改変し、5種類ほどのチオフェン環とテトラゾール環を有する化合物を合成した。その結果、どの化合物も凝集する濃度以上で阻害活性を示し、やはり阻害に凝集が重要であること、またチオフェン環とテトラゾール環が需要であることが判明してきている。蛍光ラベル化したDNA分解酵素Iを用い共焦点顕微鏡を用いて観察したところ、化合物1の凝集物に吸着することが明らかになり、DNA分解酵素が化合物1の凝集物表面と特異的なアフィニティを有していることが示唆された。これまでDNA分解酵素の阻害剤はキレート剤以外、実用的なものが報告されていなかった。本研究におけるDNA分解酵素の新規阻害剤は、核酸化学研究やDNA分解酵素関連疾患治療薬への大きな一歩になる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に記載したとおり順調に進んでいる。また上述のとおり成果もでている。

今後の研究の推進方策

研究計画に記載したとおり進めていく。
今後は分子構造をもっと簡略化し、化合物1のどの部分が阻害に重要であるかを決定する。
DNA分解酵素が関連する溶連菌感染症への応用についても検討する。

次年度使用額が生じた理由

物流遅延のため必要試薬が届かず、次年度使用額が生じた。研究遂行計画は予定通り進むと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Rewritable Surface on a Plastic Substrate Using Fluorous Affinity2021

    • 著者名/発表者名
      Tsuchii Takane、Kaneko Kazuki、Morita Kenta、Nishino Takashi、Maruyama Tatsuo
    • 雑誌名

      ACS Applied Materials & Interfaces

      巻: 14 ページ: 3255~3263

    • DOI

      10.1021/acsami.1c18633

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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