研究課題/領域番号 |
21K18850
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
丸山 達生 神戸大学, 工学研究科, 教授 (30346811)
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研究分担者 |
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 低分子 / 凝集 / 酵素阻害 / DNA分解酵素 / 溶解度 |
研究成果の概要 |
酵素と酵素阻害剤の関係は一対一の反応をイメージするのが一般的である。ところが、我々は酵素に対して多対一で阻害する低分子を発見した。Mn007という低分子化合物は筋ジストロフィ治療薬の候補化合物として2015年に報告された。我々はこのMn007がその溶解度を超えて不溶になり始めると、DNase Iに対する阻害活性が現れることを発見した。シクロデキストリンを用いてMn007の凝集物を強制的に可溶化させると、阻害効果が消失した。顕微鏡観察においてもMn007凝集物とDNase Iの相互作用が確認された。種々の検討から、DNase Iの阻害にMn007分子の凝集が重要であることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
生物化学工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで想定されていなかった阻害剤分子多数対酵素一分子という阻害様式を発見した。このことは生化学分野における酵素阻害の認識を大きく広げるものである。酵素阻害は創薬と深く関連するからである。またこれまで難しかったDNA分解酵素の阻害を実証できたことは大きい。これを元により実用的なDNA分解酵素阻害剤の開発につながる可能性がある。特に、DNA分解酵素は溶連菌感染症と深く関わっているため、実用的なDNA分解酵素阻害剤の開発はこれまで有効な手立てがなかった劇症型溶血性連鎖球菌の薬になる可能性を秘めている。
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