過酸化水素を酸化剤、酸化カルシウムを固体触媒として用いることで、グルコース転化率99%、ギ酸収率45%を得た。活性は、固体の塩基性に大きく依存し、塩基により触媒される逆アルドール反応によるC-C結合切断の寄与、酸化反応によりカルボン酸となる反応機構等を反応速度論的解析により明らかにした。しかし、固体塩基単独で二糖類セロビオースからギ酸の収率は低く、二糖類の異性化が優先して起こり、加水分解が進行しにくかった。多糖類からギ酸を合成する場合、酸によるグリコシド結合の開裂(糖加水分解)と塩基によるギ酸生成の酸塩基を用いた2つのステップが有効であることがわかった。
|