研究課題/領域番号 |
21K18869
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ティクシェ三田 アニエス 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (00334368)
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研究分担者 |
小森 喜久夫 近畿大学, 工学部, 准教授 (60431813)
酒井 康行 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00235128)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | TFT電極アレイ / バイオセンシング / バイオイメージング / BIOMEMS / 膵β細胞 |
研究実績の概要 |
最初の1年目では、予定通りこの次の結果が得られました。「(1)透明TFT電極アレイ基板表面での膵β細胞培養法の構築」では、発光性ラット膵β細胞株iGLが安定して接着培養できる基板表面の条件を明確にしました。透明TFT電極アレイの電極材料は酸化インジウムスズ(ITO)であり、この表面を適切に処理することで、細胞接着因子(コラーゲンやラミニンなど)を物理的または化学的に固定化させた後、iGL細胞を播種して接着性を確認しました。また、TFT電極アレイ表面に固定化したiGL細胞に高濃度グルコースを暴露し、細胞から分泌されるインスリンをELISA技術で確認しました。「(2)膜電位の高感度評価技術の構築」では、これまでに検討してきている心筋細胞や神経細胞の透明TFT電極アレイ計測システムをベースとして、iGL細胞の膜電位計測の最適条件を明確にしました。これと並行して、心筋や神経細胞の膜電位計測で広く利用されている微小電極アレイでiGL細胞の膜電位変化応答を計測することで、TFT電極アレイでの応答と比較しました。2年目(2022年度)には、「(3)膜電位と蛍光イメージングのリアルタイム評価の確立」を実現しました。透明TFT電極アレイを倒立型蛍光顕微鏡に設置し、高グルコース条件下でのインスリン放出による膜電位と蛍光の発光を同時に測定する技術を開発しました。細胞活性がグルコース濃度に依存することが実証されました。また、イオンチャネル遮断剤(ニフェジピン、テトラエチルアンモニウムクロライド)を用いた追加実験も行い、活性の変化を示しました。
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