本研究では、挑戦的研究課題らしく、研究の過程で予想を超えた成果を得ることが出来た。高感度な界面分光法としてこれまで用いられてきた表面増強ラマン散乱は、金属ナノ構造のプラズモン共鳴を利用しているため、耐久性が低いという実用面の問題があった。今回見出した表面増強効果は、グラフェンとAu基板界面で起こっていると考えられ、長期安定性を持つ現象であることが実験的に確認された。本成果はこれまで知られていない現象であると考えられ、基礎学術的にもその機構解明は興味が持たれ、実用的にも従来技術の課題を解決する新分光技術への展開が期待される。
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