本研究では,マイクロ波照射(MWA)による誘電損失機構を利用した欠陥構造回復機構に着目した.シリコン基板上に作製した窒化シリコン膜(SiN)を主な対象とし,プラズマ曝露技術でこれら薄膜表面領域にナノ欠陥構造を局在化させ,プラズマ曝露前後,そしてMWA前後でのナノ欠陥構造の動的機構を主に電気特性により解析した.その結果,フラットバンド電圧がプラズマ曝露後のMWA処理により正方向にシフトすることがわかった.これは,MWA処理が固定電荷や電子捕獲準位の構造を変化させること,つまりMWA処理による欠陥構造変調が可能であることを意味している.
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