(1)特徴点抽出法による熱ドリフト補正方法の確立 連続した画像から特徴点のペアを抽出してマッチングさせ、プローブとサンプルの時間的なズレを計算し補正する。また、このプロトコルは、画像のコントラストの変化に対してロバストな選択ルールを適用している。走査型プローブ顕微鏡でSi(100)表面の同じ領域を原子スケールで25時間、室温で連続撮影し、完全自動化を実証した。この方法は、非線形ドリフトやプローブ頂点の自然変化の存在下でも頑健であることを示した。 (2)圧縮センシングを用いたデータ補完による測定高速化 走査型プローブ顕微鏡の画像取得において、圧縮センシングアルゴリズムを用いたデータ補完により、表面画像の測定時間を短縮した。特に、表面粗さ画像の取得点数を減らし、推定値を用いて画像を再構成することで、データ測定時間の1/8で表面画像を取得することが可能となった。測定時間の短縮により、画像取得時の熱ドリフトの影響を低減できることが示されました。また、表面画像取得時に再構成が可能であることを、リアルタイムの表面画像で実証した。 (3)機械学習を用いた探針調整法の確率 原子分解能測定において探針先端の状態を作ることを、機械学習を用いて全自動で行える方法を考案した。画像パターンを学習させ、実験で取得した画像から探針先端の状態を判断できるようにした。探針先端が原子分解能に適さないと判断した時には、探針先端を試料表面にコンタクトさせ、パルス電圧を印加することで探針先端を改善させる自動化のプロセスを行えるようにした。
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