研究課題
挑戦的研究(萌芽)
2次元層状化合物では、層間が弱いファンデルワールス力で結合されているため、異なる物質の積層を考える場合、目的の物性の創出に対して幅広い物質選択が可能である。本研究では、このような層状化合物固有の特性を活かした革新的な熱電素子の開発を行うことを目的として、単結晶薄膜試料の合成と構造評価、及び磁気輸送特性や熱電特性の評価を行った。今後、これらの物質の積層構造を検討することで、結晶構造に由来する異方的な電子伝導やスピンを活用した新しい熱電効果の観測につながると期待される。
薄膜物性
本研究では、2次元層状化合物がもつ異方的な電気伝導性や熱伝導性に着目し、これらの物質群を使った積層構造における熱電機能を開拓することを目指して、薄膜形状の試料において熱電特性を評価した。2次元的な結晶構造を持った新物質薄膜の熱電材料としての知見を得ることができ、今後これらの物質群の積層構造に展開していくことで、更なる機能の開拓が期待できると考えている。