走査型トンネル顕微鏡(STM)を使うと、物質表面の原子配列を観察するだけでなく、表面に吸着した原子や分子一つひとつを動かすことができる。これを使って原子層物質に吸着した原子や分子を操作し配列させることで、その物性を制御する技術を開発することを目指した。多数の原子・分子操作を効率よく行うための自動操作プログラムを作成したほか、密度汎関数理論計算によりシリコン基板上のインジウム原子層に吸着した一酸化炭素分子の吸着サイトを検討した。また、STM操作の自動化の一環として、実験中に発生した地震の影響を、緊急地震速報を利用して回避する仕組みを構築した。
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