研究課題
挑戦的研究(萌芽)
チャープフォトニック結晶導波路を用いた分光器を実現した.通常ナノフォトニクス素子は作成精度による限界がある.特に作成誤差の影響は大きいが,本研究では作成ゆらぎの結果得られる光の局在パタンを波長同定にもちいることで,作成精度を超えた波長分解能を実現した.各波長での局在パタンを予め測定しておき,2次元マップ化する.未知の波長入力のパタンに,その2次元行列の逆行列を積算することで,スペクトルを再構築する.スペクトル分解能0.8 nm以下を得ることに成功した.
光エレクトロニクス
フォトニック結晶(PhC)やプラズモニクス,メタマテリアル,集積光回路を始めとするナノフォトニクス研究は,光科学の一大分野を形成しているが,その性能は作成誤差によって制限をうける.従来は作成誤差との戦いであったが,本研究はその戦略を180度転換するものであり,作成誤差をソフトウェアの力も借りながら積極的に活用しようとするものである.本手法は全く新しいものである,ナノフォトニクス分野の発展に大きな変革をもたらすことが期待される.