研究課題/領域番号 |
21K18931
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柳井 毅 名古屋大学, 理学研究科(WPI), 教授 (00462200)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 密度汎関数理論 / 射影増強波法 / 擬ポテンシャル |
研究実績の概要 |
本研究者はDFT計算プログラムの高速化を可能とするGTF-PAW法の試作的なプログラムを開発してきてる。研究開始時の実装では密度関数ρのみの純粋汎関数に基づく基礎的なレベルに留まっていた。本研究では目的とする量子化学計算法の全く新しい計算システムの構築を達成するために,本年,以下に示す具体的な手法開発を通じた研究方法を行ってきた。(1) 汎関数モデルの高度化: Hartree-Fock交換をPAW-GTFの枠組みに組み入れる定式・実装を 行う。これにより,最も利用される混成B3LYP汎関数が実装される。既に試作レベルは達成しているが,これを実践的なコードに完成度を高める。B3LYPレベルのPAW擬ポテンシャルやPAW部分波のデータセットを元素毎に生成する手法の構築は達成している。 (2) GTF基底セットの開発:GTF-PAW法では,擬ポテンシャルの対として,ガウス型基底関数(GTF)が用いられる 。GTF-PAW計算の効率化のためには,その縮約型GTFの最適なパラメータ(基底セット)は,新しく決め直す必要がある。第三周期までの元素に対する基底セットを決める。 (1)に関しては,本手法の分子系への実装の道筋も立っている。部分的に計算効率が悪いところがあるので,コードの最適化を行った。 (2)に関しては,局所密度近似LDAレベルのガウス型基底関数基底セットおよびポテンシャルの開発が進めら,論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計算プロラウムの開発が概ね順調に進められている。LDAレベルのGTF基底セットおよびポテンシャルの開発が進めら,論文として発表された。
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今後の研究の推進方策 |
部分的に計算効率が悪いところがあるので,さらなるコードの最適化が必要であり,着手を開始ししている。解析的エネルギー微分の計算法の確立などを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
プログラムの基礎開発で,さらなる最適化の必要が生じた。それをつかった本格的な応用計算を行うための計算について,その購入を次年度に見送ったため。
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