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2021 年度 実施状況報告書

半導体・吸着金属錯体界面での励起状態相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 21K18932
研究機関京都大学

研究代表者

今堀 博  京都大学, 工学研究科, 教授 (90243261)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード光電荷分離 / 酸化チタン / 貴金属 / 界面 / エネルギー変換
研究実績の概要

太陽電池や光触媒において高いエネルギー変換効率を実現するためには高い光電荷分離効率が必須である。貴金属ナノ微粒子を用いたプラズモンエネルギー変換はそのための有望な手法の一つではあるが、増強効果に限界がある。そこで本研究では、貴金属元素を含む色素と半導体との異種融合界面での光電荷分離に着目する。申請者はごく最近金原子を含む色素分子が複数のカルボキシ基を介して酸化チタン表面に固定化され 、金原子と酸化チタンの直接相互作用を通して超高速の電荷分離が起こることを見出している。この1原子レベルの直接相互作用に基づく超高速電荷分離のメカニズムを明らかにし、高効率なエネルギー変換への展開を目指す。
筆者はコロールのメソ位アリール置換基上のメタ位にCOOH基を導入した金コロール(Au-B)と、対応するパラ位にCOOH基を導入した金コロール(Au-A)、Re, Osコロール(Re-B, Os-B)を合成した。それらの色素をTiO2電極上に吸着させ、色素増感太陽電池として評価すると、Au-Bが大幅にエネルギー変換効率を向上させることを見出した。時間分解過渡吸収測定の結果、Au-Bでは、金原子による速い系間交差(1 ps)にもかかわらず、励起一重項状態からTiO2への超高速電子注入(<100 fs)が起こり、効率よく電荷分離状態が生成することがわかった。一方、X 線光電子分光(XPS)測定により、金原子とTiO2との直接の相互作用が示唆された。また、金属の異なる一連の金属コロールの光ダイナミクスを豊田工業大学の山方、ノルウェー北極大学のAbhik Ghoshと共同で検討した。金属、置換基によって、光ダイナミクスが大きく変化することを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

筆者は金コロールを増感色素とした色素増感太陽電池を作製し、大幅にエネルギー変換効率を向上できることを見出している。さらなる機構解明と変換効率の向上を目指しているところである。

今後の研究の推進方策

筆者は金コロールを増感色素とした色素増感太陽電池を作製し、大幅にエネルギー変換効率を向上できることを見出している。さらなる機構解明と変換効率の向上を目指して、ドナー部位を導入した色素の設計、合成に取り組んでいる。コロール色素の合成が特殊なために、慎重に合成を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

合成を予定していた金属コロール色素が予定ルートでは合成できず、合成ルートを変更する必要が生じた。生じた次年度使用額は翌年度分として請求した助成金とあわせて、目的金属コロール色素の合成のための試薬およびガラス器具購入費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] ノルウェー北極大学(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      ノルウェー北極大学

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公開日: 2022-12-28  

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