研究課題/領域番号 |
21K18935
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大西 洋 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20213803)
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研究分担者 |
手老 龍吾 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40390679)
松本 拓也 神戸大学, 工学研究科, 講師 (70758078)
天野 健一 名城大学, 農学部, 准教授 (30634191)
平山 朋子 京都大学, 工学研究科, 教授 (00340505)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 分子運動 / トライボロジー / エネルギー散逸 / 液体 / 統計力学 / 蛍光顕微鏡 / 油性添加剤 / 表面界面 |
研究成果の概要 |
脂質二重膜の研究で開発された単一蛍光分子追跡法を、潤滑油界面の解析に転用した。脂質二重膜の計測では、二重膜に取り込ませた蛍光分子の膜内拡散を光学顕微鏡で追跡する。蛍光分子の数密度を低くすることによって、個々の蛍光分子像を分離識別し、蛍光分子個々の並進運動を時間分解能30 msの動画像として記録することが広く行われてきた。本研究では、潤滑油-ガラス界面に吸着した添加剤層に取り込ませた単一蛍光分子の個数変化と並進運動を蛍光顕微鏡で動画像計測した。蛍光分子のガラス表面への吸着脱離と焼尽による個数変化を記述する数理モデルを構築するとともに、焼尽耐性をもつスピロビフルオレン系蛍光分子を有機化学合成した。
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自由記述の分野 |
界面分子科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然がつくりだす不思議は、生物に代表される天然物だけでなく、潤滑油のような人造物にも等しく宿っている。人造物に宿る不思議を追い求めることによって新しいサイエンスを発見することが、本研究の根底をなすコンセプトである。生体物質である脂質二重膜の解析法として発展してきた単一蛍光分子追跡を、潤滑油界面の研究に技術移転することで、天然物研究と人造物研究を隔ててきた垣根を低くすることができる。従来研究が築いた垣根を意識することなく、利用できる技術や材料はなんでも使うことによって、液体-固体界面に宿る新しいサイエンスの発見と、よりよい潤滑油の開発という二兎を追うことが可能になる。
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