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2022 年度 実施状況報告書

キラル外輪型2核Rh触媒からの脱却と凌駕を実現するキラル2核Ru触媒の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 21K18946
研究機関北海道大学

研究代表者

松永 茂樹  北海道大学, 薬学研究院, 教授 (50334339)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード不斉触媒 / 不斉合成 / ルテニウム / アミノ化 / ルイス酸
研究実績の概要

前年度までに見出した4枚のフタルイミド基の配置が3:1の状態になっているメリジオナル型ルテニウム錯体の触媒機能探索を実施した。結果、すでに論文公表済みのC2対称型でフタルイミド基の配置が2:2であるシス型のルテニウム錯体と比較し、優れたルイス酸性能を示すことが明らかとなった。従来の触媒では、非常に活性の高いジエンを用いたヘテロディールスアルダー反応にしか適用が困難であったのに対し、反応性の落ちるジエンを用いた場合にも効率的、かつ、高い立体選択性でヘテロディールスアルダー反応が進行することが明らかとなった。これにより、ケトンの非対称化による合成が困難なキラル絵ノールシリルエーテルの合成へと展開できることがわかった。期間延長した最終年度に、成果の取りまとめを実施する予定である。
また、ロジウムを凌駕する酸化耐性を有するルテニウム触媒の機能開拓として、分子間アミノ化についても検討を進めた。結果、キラル空間を狭くするチューニングが有効であることがわかり、立体選択性の向上を達成した。しかしながら、反応性が大きく低下してしまう結果となっており、最終年度に触媒構造の微調整と反応条件の精査により立体選択性と化学収率の両立を両立を目指す必要がある。
上記の二つの成果の取りまとめに向け、新たに量子化学計算による検証が必要であるという認識に至っている。そこで分担者の追加を申請し、最終年度の成果取りまとめにおいて、計算化学による検証を合わせて実施していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ロジウム触媒を凌駕するルテニウム触媒の創出、機能探索という目標に向け多面的な検討を進めており、当初の想定以上の成果として、メリジオナル型ルテニウム錯体の触媒機能探索において興味深い成果を得ている。取りまとめに際し、時間を要する量子化学計算が必要となったことから研究期間を延長して実施しているが、全体としては当初目的に対し、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

これまでの検討で明らかとなってきた、二つの成果、ヘテロディールスアルダー反応及びアミノ化反応の成果取りまとめに向け、新たに量子化学計算による検証が必要であるという認識に至っている。そこで分担者の追加を申請し、最終年度の成果取りまとめにおいて、計算化学による検証を合わせて実施していく予定である。これにより、強力、かつ、確実に成果を上げられると考えている。

次年度使用額が生じた理由

メリジオナル型のルテニウム錯体のv調製方法の確立に想定以上の時間を要し、成果取りまとめのために必要な大量合成のために確保していた研究費が未使用となった。期間を延長した最終年度には、研究の加速と着実な遂行を目的に、RAを雇用しつつ、成果取りまとめの実験を強力に推進していく計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 外輪型キラル二核ルテニウム触媒による分子間不斉ナイトレン移動型反応の開2022

    • 著者名/発表者名
      牧野思子、熊谷悠平、桐生昇一、森康平、宮澤拓、吉野達彦、小島正寛、松永茂樹
    • 学会等名
      札幌万有3地区交流ミニシンポジウム
  • [学会発表] Chiral acid/base-enabled achiral Rh(III)&Co(III)-catalyzedasymmetric C-H functionalization2022

    • 著者名/発表者名
      S. Matsunaga
    • 学会等名
      SYNTHESIS, WebCheminar on Asymmetric C-H Activation
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 薬品製造化学研究室:発表論文

    • URL

      https://www.pharm.hokudai.ac.jp/yakuzou/publication.html

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公開日: 2023-12-25  

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