透明な近赤外光材料のニーズは医療・電子・エネルギー分野等幅広い。本研究の遂行により、単に近赤外光を強く吸収する、に加えて可視光吸収を抑制する、という新たな分子デザインを提案することができた。これらの材料については特許出願も行い、共同研究を希望する企業も現れているなど、社会的意義のある成果と言える。 また、これら材料を開発するにあたっては複数の遷移を同時に制御する分子デザインが必要であり、研究開始時点では達成が困難とされた学術的課題であった。ボール型金属錯体を中心に理論的考察を併用することでこの問題が解決できつつあり、学術的にも重要な成果を得た。
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