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2021 年度 実施状況報告書

爆発性のない高活性ジアゾ化剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K18964
研究機関九州工業大学

研究代表者

北村 充  九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10313199)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワードジアゾ化合物 / ジアゾ移動反応 / グアニジノジアゾニウム塩 / アジドイミダゾリニウム
研究実績の概要

本研究ではグアニジノジアゾニウム塩を爆発性のない求電子ジアゾ化剤として設計・合成し,さらに汎用性の高いジアゾ化反応を開発することを目的とし,1)爆発性のない求電子的ジアゾ化剤の開発と単離 2)求核能の低い求核剤のジアゾ化による有機ジアゾ/アジド化合物合成法の開発を目指すものである.
これまで,ジアゾ移動剤としてはスルホニルアジドが用いられているが,スルホニルアジドは爆発性が高く,反応剤の安全性の改善が必要であり,取扱い易く安全,かつ反応性の高いジアゾ移動剤の開発が強く望まれている。求電子的アジド化剤[N2=Y]が優れた反応剤としてふるまうには,脱離基Yが高い脱離能,低い求核能,求核攻撃を受けない,必要があり,反応剤自身は,高い求電子性,安全性,をもつ必要がある.グアニジノジアゾニウム塩はそのすべてを満たしており,その合成と反応性を調べた.その結果,N上に嵩高いアリール基が置換したグアニジノジアゾニウム塩[2-azido-1,3-bis(2,6-diisopropylphenyl)imidazolium hexafluorophosphate, IPrAP]が優れたジアゾ化剤となることを見いだした.IPrAPを用いてこれまで直接ジアゾ化の例がないフェノールのジアゾ化を実現できることがわかった.すなわち,フェノールとIPrAPのメタノール溶液にジイソプロピルアミンを触媒量加えるとジアゾ化が進行し対応するジアゾキノンが得られた.さらに,得られたジアゾキノンにメトキシエタノール中,アジ化ナトリウムを反応させると対応するアジドフェノールが得られることを見いだした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り,新たなジアゾ化剤を開発し,さらに,類例のないフェノールのジアゾ化を実現しているため.

今後の研究の推進方策

今回開発したIPrAPを用い,種々の求核剤と反応させそのジアゾ化反応の一般性を探る.また,IPrAPの類縁体を合成し,新たなジアゾ化剤の開発を目指す.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症のため,当初の計画に余裕を持たせて実験を行った.2022年度は,新型コロナウイルス感染症の流行は抑えられルと予想され,当初予定した人数から増やし実験,研究を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アジドイミダゾリウム塩を用いた第一級アミンへのジアゾ移動反応によるアジド合成2022

    • 著者名/発表者名
      津﨑 諒人、大塚 和輝、下岡 弘和、岡内 辰夫、北村 充
    • 学会等名
      日本化学会第102春期年会

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公開日: 2022-12-28  

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