本研究の学術的意義は「孤立LUMO」という我々が初めて見出した概念に立脚し、アザ置換で選択的LUMOの引き下げを達成し、偶然性に頼らない狭ギャップ化の新戦略の確立を目指す点にある。従来の「共役の拡張」における分子の巨大化に伴う問題の解決のみならず、相乗的にさらなる長波長化も期待できる。また、量子化学計算的手法でゼロから設計可能であり、AIを用いた効率的な物質探索手法にも適用可能である。以上、本研究は我々の最近の学術的な発見に基づくため萌芽的段階であるが、達成時には狭ギャップ化の新戦略から機能性近赤外発光材料開発につながり、学術的インパクトと産業的波及効果は大きいと考えられる。
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