既存の材料では達成不可能なトレードオフを解消した高熱伝導性透明樹脂を開拓することを目的としてアミノ基を2個有するかご型シルセスキオキサン(POSS)モノマーと種々のジイソシアナートとの重合により架橋部位の長さや極性を変化させたPOSS主鎖型ポリマーの合成を行いそれらの物性および特性評価を行った。その熱伝導率は0.25 W/m・K程度と必ずしも熱伝導性が向上するものではなかった。しかしながら、重合の進行に伴って、通常の低分子オイルゲル化剤と同程度の濃度でゲル化が進行することがわかったことや、一般的には高誘電材料であるポリウレアを低誘電率・低誘電正接化できることが示されるなどの成果が得られた。
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