研究課題/領域番号 |
21K19007
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90545716)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | ナノディスク / 両親媒性ポリマー / 脂質二分子膜 / ドラッグデリバリー / 自己組織化 |
研究実績の概要 |
本研究では、デザインされた高分子によって形成された細胞膜ナノディスクを用いて、特定の細胞小器官へ選択的に分子輸送するナノキャリアを構築することを目的とする。研究代表者らがこれまでに開発した膜活性ポリマーを用いた細胞膜ナノディスク技術を核として、新たに細胞へのターゲティング機能を付与したポリマーをデザインすることで、特定の小器官に対して選択的かつ高効率に分子輸送する方法を確立することをめざす。 本研究の目的を達成するために、本年度は、(1)ナノディスク形成ポリマーの合成および(2)細胞膜の断片化によるナノディスク形成と評価について実施した。まず、ポリメタクリレートを分子骨格として、カチオン性もしくは双性イオン型の親水基および疎水基を異なる割合で側鎖に導入した両親媒性共重合体についてラジカル重合法により合成し、ライブラリ化した。次に、得られたポリマーライブラリを対象として、リポソームを用いた動的光散乱法による細胞膜の断片化に関するスクリーニングを実施したところ、膜の断片化に最適な親疎水性モノマー比および分子量が存在することがわかった。また、断片化された脂質膜の形態について、透過型電子顕微鏡観察を実施したところ、直径数十ナノメートル、厚さ5ナノメートルのディスク状分子集合体であることが確認された。ナノディスクを自発形成するポリマーについては、複数の分子構造がすでに見いだされており、今後、対象とする細胞・組織の違いなど、目的に応じて使い分けが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初年度計画として予定していたポリマーの合成およびライブラリ化、得られたポリマーのスクリーニングをおおむね完了しており、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、ナノディスクの膜物性評価ならびに細胞取り込み試験を行うことで、ナノキャリアとして求められるナノディスクの特徴を明らかにする。その結果をポリマーの合成にフィードバックすることで、最終的にナノディスクを用いた分子デリバリー技術を確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、導入を検討中の設備および一部消耗品に関して年度内の調達が困難であった。したがって、翌年度においてこれらを調達予定である。
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