一重項分裂(SF)とは近接した二分子間で一光子の吸収過程から二つの三重項励起子(T1 + T1)を生成する多励起子生成反応である。三重項収率ΦTは最大200%のため光エネルギー変換利用が大いに期待されている。本研究ではこのSFの発エルゴン的なエネルギー条件を満たさない分子によるSFの発現、また、無機材料との融合化によるSFのさらなる機能化を目指して研究を進めた。具体的に、上記のSF発現条件(発エルゴン的なエネルギー条件)を満たすペンタセンではなく、吸エルゴン的なエネルギー条件であるテトラセンの二量体を合成し、SFの進行を検証した。また、無機材料と融合し、機能評価を行った。
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