本研究では、アモルファスIn-M-O系(M:遷移金属元素)の磁気抵抗(MR)について研究を遂行した。導電性が認められた試料はn型伝導を示した。M = Niの試料については、Ni濃度が4-6%でキャリア濃度が10^20cm-3の薄膜は負のMRを示した。一方、10^19cm-3の薄膜はすべて20K以下で正の巨大MRを示し、7%の薄膜では5Kで最大100%を示した。VRH伝導領域では正のMRが観測されることが知られているが、これだけでは今回観察された巨大MRの起源を説明できない。アモルファス構造に由来する局所的なスピン構造とd電子の存在が、低温での正の巨大MRに寄与していると考えられる。
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