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2021 年度 実施状況報告書

ジオファクトリー:人間主導型社会から地球主導型社会へ

研究課題

研究課題/領域番号 21K19022
研究機関信州大学

研究代表者

二村 竜祐  信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (90647223)

研究分担者 森 宏  信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (80788183)
川出 健太郎  信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (90749243)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワードジオファクトリー / ミューオン透過測定 / 地質調査 / 超高圧実験
研究実績の概要

本研究では、地球の地下空間に遍在する最適な,1)温度,2)圧力,3)組成の条件を満たすホットスポットをミューオン透過測定及び地質調査から見つけ出し、資源合成へと活用することで『天然合成実験施設=ジオファクトリー』の実現を目指している.特に初年度は、①ミューオン透視装置開発および密度マッピング(川出)、②地質調査による組成マッピング(森)、③到達可能な地下条件での燃料合成法の開発(二村)の3つのについて、それぞれの土台の部分を構築し、お互いの連携のための基礎とした.①では、プロトタイプとなるミューオン透過装置のハード部分がおおむね完成した。2年目からは、野外調査での利用への展開が期待できる。さらに、フィールドワークでの利用を指向し、軽量化・コンパクト化を目指した2号機の作成を検討している。②では、当初からの研究対象地域であった明瞭な地質境界が露出する溝口露頭の地質調査を行い、化学組成の空間分布に対する知見を得た。さらに溝口露頭とは異なる研究対象地域として甲斐駒ヶ岳を選定し、現在地質調査を実施段階である。③では、放射光施設フォトンファクトリーでの高圧X線散乱実験が軌道に乗り始めた。実験条件が定まり、実際にナノ細孔中での水の超高圧による構造変化を捉えることができた。現在は、活性炭の有するナノ細孔中における水を研究対象としているが、さらなる研究によって、水とメタンの混合によるメタンハイドレート形成や、二酸化炭素と水素の混合によるハイドロカーボンの合成の研究へとつなげる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の実験についてはおおむね順調に進展している。特に①においてはプロトタイプのミューオン透過測定装置が初年度でほぼ完成した。軽量化に特化した2号機装置の開発も視野に、クラレ社製 プラスチックシンチレーションファイバー および小型MPPCを調達し、2022年度以降に開発を進める。
ただし③で初年度で予定していた超高圧実験用のダイアモンドアンビルセルの購入を中止した。これは、ダイアモンドアンビルセルでの実験は温度制御が難しいため、温度制御ができる高圧X線散乱セルを自作することにしたためである。2年目に装置の設計・発注を行うことを予定している。高圧でのX線散乱測定については、本年度も24時間のビームタイムが確保できたため、引き続きフォトンファクトリーでの実験を中心に行う。

今後の研究の推進方策

2年目は、初年度に実施したそれぞれの基礎の部分をさらに強化することを目指す。さらに、各担当が連携することで、最終目標であるジオファクトリーの建設の達成を目指す。具体的には、ミューオン透過装置作成担当の川出と地質調査担当の森が協力することで、地質調査にてミューオン透過測定を実施する。また、森と高圧実験の二村が連携することで、天然の多孔質材料を用いた高圧実験により、地下の条件を模した条件での高圧資源合成に対する知見を得る。

次年度使用額が生じた理由

コロナにより業者との対面での連絡が難しい時期が長期にわたり、物品発注までに時間がかかってしまった。このため年度内での高圧セルの作成及びミューオン装置用の物品の購入が困難となり、次年度に予算を繰り越す必要が生じた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Formation of amorphous and quasi-two-dimensional microcrystalline structures of CO2 in activated carbon pores at low temperatures2022

    • 著者名/発表者名
      Cons Bacilla Ana Carolina、Futamura Ryusuke、Sugiyama Yasuhiro、Ueda Takahiro、Iiyama Taku
    • 雑誌名

      Carbon

      巻: 193 ページ: 88~97

    • DOI

      10.1016/j.carbon.2022.02.061

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Quadrupole of Nitrogen, as a Probe Molecule for Surface Area Estimation: XRD and HRMC Investigation2022

    • 著者名/発表者名
      Bacilla Ana Carolina Cons、Futamura Ryusuke、Iiyama Taku
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 51 ページ: 338~341

    • DOI

      10.1246/cl.210728

    • 査読あり
  • [学会発表] 疎水性表面に囲まれた極微小水集団の室温でも融けない氷様構造2022

    • 著者名/発表者名
      杉山 泰啓、二村 竜祐、飯山 拓
    • 学会等名
      日本化学会第102春季年会(2022)
  • [学会発表] 吸着速度とX線散乱の精密測定による水吸着機構の検討2022

    • 著者名/発表者名
      河又 悠真、二村 竜祐、飯山 拓
    • 学会等名
      日本化学会第102春季年会(2022)
  • [学会発表] キャパシタ電極中におけるイオン液体の特異な構造とキャパシタ特性への影響2022

    • 著者名/発表者名
      二村 竜祐
    • 学会等名
      電気化学会第89回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 赤石山地北部・西南日本外帯基盤岩の変成温度解析および熱モデリングによる甲斐駒ヶ岳花崗岩体の貫入熱影響評価2021

    • 著者名/発表者名
      野部勇貴, 森宏, 水村裕紀, 山岡健, 纐纈佑衣, 常盤哲也
    • 学会等名
      日本地質学会第128年学術大会
  • [学会発表] Detailed characteristics of Raman spectra of carbonaceous materials in fault rocks nearby the Median Tectonic Line2021

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Mori, Yuki Nobe, Ken Yamaoka, Yosuke Tomooka, Yui Kouketsu, Tetsuya Tokiwa
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会2021年大会
  • [学会発表] ラフェンオキサイド層間における水の動的・静的特異性2021

    • 著者名/発表者名
      二村 竜祐、飯山 拓、上田 貴洋、田中 秀樹、金子 克美
    • 学会等名
      第34回日本吸着学会研究発表会
  • [学会発表] 微小空間中の二酸化炭素の特異な結晶・非晶質構造形成2021

    • 著者名/発表者名
      Ana Carolina Bacilla、二村 竜祐、飯山 拓
    • 学会等名
      第34回日本吸着学会研究発表会
  • [学会発表] サブナノメートル空間中で水が形成する室温でも融けない氷様構造2021

    • 著者名/発表者名
      杉山 泰啓、二村 竜祐、飯山 拓
    • 学会等名
      第72回コロイドおよび界面化学討論会
  • [学会発表] 光刺激応答性物質および紫外光照射によるシリカ細孔内メニスカスの崩壊2021

    • 著者名/発表者名
      松田 優花、二村 竜祐、飯山 拓
    • 学会等名
      第34回日本吸着学会研究発表会
  • [学会発表] 吸着速度と X 線散乱の精密測定による水吸着機構の検討2021

    • 著者名/発表者名
      河又 悠真、二村 竜祐、飯山 拓
    • 学会等名
      第34回日本吸着学会研究発表会

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公開日: 2022-12-28  

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