ゼニゴケの始原植物ホルモンを用いて高等植物シロイヌナズナのシグナル伝達制御を行う研究を実施した。まず、ゼニゴケの新規始原植物ホルモンとしてD4-dn-cis/iso-OPDAを同定し、既知のdn-cis/iso-OPDAと活性の比較を行った。その結果、dn-cis/iso-OPDAのほうが活性が強いことが分かり、これらを使った制御系を立ち上げることにした。これと独立して、dn-cis/iso-OPDAを用いてMpCOI1とシロイヌナズナのAtJAZとの親和性を検討したところ、13種のAtJAZのうち一部だけが選択的にMpCOI1-AtJAZ共受容体を形成することが分かった。この結果を受けて、シロイヌナズナのCOI1受容体を機能破壊したcoi1変異株をバックグラウンドとして、ゼニゴケのMpCOI1を導入した変異株の作成を行い、ホモ体の選抜が進行中である。
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