N-型糖鎖は生体内での細胞・タンパク質間での相互作用において重要な役割を果たす生体分子である。我々は,アルブミンにN-型糖鎖約10分子を修飾した糖鎖アルブミン分子が、がん細胞周辺に集積すること、さらに糖鎖の修飾パターンに応じて種々のがん細胞へ異なる強度の認識(パターン認識)が発現することを見出し、糖鎖アルブミン分子を用いたがん治療研究へと発展させてきた。本研究では、糖鎖パターン認識をさらに活用する方法として、生体内化学反応により糖鎖パターン認識を更新し、新たな標的へと向かって体内を移動する糖鎖アルブミン分子を開発した。生きたマウス体内での化学反応スイッチによるパターン認識の更新を実現した。
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