研究課題/領域番号 |
21K19043
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
WONG W・R 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (30464035)
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研究分担者 |
小林 亜紀子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 特任助教 (00345662)
羽澤 勝治 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (40622460)
LIM KEE・SIANG 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (60842987)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 核膜孔複合体 / 液-液相分離 / 翻訳後修飾 |
研究実績の概要 |
30種類のタンパク質からなる核膜孔複合体(NPC)は、核膜における選択的分子輸送ならびに核膜近傍における転写環境を制御し、高次遺伝子発現システムを確立する。研究代表者は、NPCの組成変化(量的な変化)や翻訳後修飾(質的な変化)はNPCの機能を高次化する要因であり、これらNPC多様性により生命反応が調節されることを解明したが、NPCの量的・質的な変化がNPCの機能レベルに変換される過程については未だ不明である。液―液相分離(LLPS)は、2つの液体が混合せずに互いに排除しあうことで2相に分離する現象である。細胞内において、生体高分子の集合によりLLPSが形成され、生命反応を効率よく進める環境が構築されることがわかってきた。事実、NPC構成分子のうち、フェニルアラニンとグリシンのリピート配列を備えたFG-NUPsは分子輸送ルートとして機能するNPC内部にLLPS環境を構築し、選択的な情報ネットワークを確立しているとするモデルが支持されている。そこで、本研究は、高次遺伝子発現システムの基盤となるNPCの作動原理の解明にむけて、NPCが確立する液―液相分離(LLPS)の状態・機能相関について明らかにすることを目的としている。今年度は、生体高分子のLLPS相分離環境を評価できる蛍光プローブの開発に成功した。私たちの結果は、PYR-AがLLPSを特徴付けるための貴重なツールであり、生物学的機能の基礎となる相分離の理解を高めることを示しています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析に必要な材料の準備が整っため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予算がついたのが半年経ってからであったため、当初予定していた人件費が半分以下に抑えられ、次年度使用額が生じる結果となった。翌年度分として請求した助成金と合わせて計画を進められるよう適正に使用する予定である。
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