活性未同定のKチャネルにおいて酵母で複数のリン酸化酵素を導入してK輸送取り込み活性の変異を相補について検討を行った.Kチャネルおよびリン酸化酵素群を同時に共発現させて低濃度のK培地において増殖するコロニーを取得した.一方,リン酸化酵素のみを導入した酵母においても,見かけ上相補する酵母が出現した.これらのリン酸化酵素は除外した.またいくつかのリン酸化酵素の共発現酵母は増殖しないことも分かった.この相補アッセイを合計3回行い,より確実な相補結果が得るために慎重に検討した.さらに獲得した候補リン酸化酵素とKチャネルを異種発現解析系に導入し,二電極を用いた膜電位固定法によるKチャネル電流測定を行い明瞭なK電流を観察した.リン酸化酵素部位と考えられ酢アミノ酸を置換してK輸送活性の消失と維持を検討したところ,範囲限定的にリン酸化が必要となる部位が明らかとなった.Kチャネルが植物でもK輸送体として機能する可能性が強く示唆された.またこのKチャネル遺伝子変異株植物体を取得して,表現型の観察を行った.さまざまな環境で植物変異株の表現の観察を行った結果,表現型が見られる条件を決定した,またこのKチャネルの植物における組織別発現を検討するためにKチャネルのプロモーターにGUSレポーター遺伝子を導入した植物を取得した.組織別および時期特異的な遺伝子発現を調べたところ,維管束で発現が観察された.以上より,Kチャネルが植物でもK輸送体として機能する可能性が強く示唆された.
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