がん細胞に対して低濃度で選択的にアポトーシスを誘導し、強力な細胞増殖抑制活性を示す環状イミン天然物ポルチミン類の全合成と構造活性相関、機能解析に取り組んだ。不斉Diels-Alder反応及び有機分子触媒を用いたアルデヒドに対する不斉スタニル化反応を鍵工程として、チオエステルとαオキシアルキルスタナンフラグメントを合成し、両者をStille型カップリングにより連結した。さらに、閉環メタセシスにより14員環骨格を有する鍵合成中間体の合成を達成した。今後、酸素官能基の導入、環状イミンと架橋アセタール構造の構築を経てポルチミン類の全合成を目指す。
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