研究課題
本研究では、アミノ酸を起点とする代謝物質群の変動情報を『代謝物質コード』として定義し、代謝物質コードを感知するメカニズムや、その情報が解読されて、特定の表現型に至る背景機序を明らかにすると共に、それを自在にコントロールすることができる手法を開発することで、代謝物質コードの理解と制御を試みる。2022年度は2021年度から引き続き、代謝物質コードを感知するメカニズムの解明を試みた。具体的には、「細胞は全ての代謝物ではなく、特定の代謝物の濃度を感知することで、全ての代謝物の濃度を調整しているのではないか?」という仮説の下、各代謝物間で量的な相関性が高いものを探索した。データとしては2021年に取得した肝臓がん由来細胞株を用いたメタボローム情報とNCI60のメタボローム情報を利用した。その結果、いくつかの代謝物間では非常に高い量的相関性があることを見出した。また、AMPKのバイオセンサーを安定的に発現する細胞株を樹立し、アミノ酸の組成変化がAMPKの時空間的な活性ダイナミクスに与える影響を検討できるようにした。mTORC1バイオセンサーは、さらなる改良が必要な状況である。さらにアミノ酸によって起こる様々な細胞内減少をラベルフリーで可視化できるようにするため、Convolutional Neural Networkを用いたデジタルステイン技術と、高解像度な位相差顕微鏡システムの確立を行った。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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